臨床で頻繁に出会うBrugada症候群に関してまとめてみた!
Brugada症候群の名称
・1992年にブルガダらによって報告された。
・報告者にちなんで名付けられた。
・ちなみにブルガダさんは、一人ではなく3兄弟。
・築島先生は「だんご3兄弟」と評されている。理由は想像におまかせします笑。
Brugada症候群の特徴
・特徴的な心電図所見(ブルガダ心電図)を呈し、心室細動による突然死を来す疾患。
・心臓自体に器質的な異常(構造的な異常)がないことが多い
・日本人を始めとするアジア人に多い。
・Brugada症候群であったと思われる若年突然死の報告は以前よりあり、日本では「ぽっくり病」と称されていた。同様の言葉が、フィリピンやタイなどの国にもある。
・いわゆるBrugada症候群(タイプ1)は、全人口の0.05-0.2%程度。
・成人男性に圧倒的に多い(9:1)。
・SCN5A(ナトリウムチャネル)遺伝子の変異が約20%に検出されている。
・右室流出路を中心とした貫壁性の再分極異常によりBrugada心電図を呈する。
・心室細動の発生機序に、心内膜側と心外膜側の拡張期の活動電位差による局所の興奮旋回(第2相リエントリー)が関与していると言われている。
・fragmented QRSを有するものは予後が悪い。
Brugada心電図
以下より引用
・すぐに目につくのは、「V1-3誘導の変化」ではないでしょうか?
・右室流出路を中心とした再分極異常が原因であるので、右室を眺めるV1-3誘導で変化が出現するのは頷けます。
・具体的には、「J波増高」と「特徴的なST上昇」。
・特徴的なST上昇
コブド型 陰性T波が続く
サドルバック型 陽性T波が続く
・数値的な部分は、ガイドラインや報告によってまちまち
鑑別すべき心電図
rSR’@V1-3
・右脚ブロック
ST上昇@V1-3
・急性前壁中隔心筋梗塞
臨床でのポイント
・いかにタイプ1を見つけ、有症候性か否かを見極めること。
・タイプ2やタイプ3の外見をした「実はタイプ1」をあぶり出す。
・あぶり出す方法
肋間を上げた記録
薬物(Ⅰa/Ⅰc群Naチャネル遮断薬)負荷試験
発熱時、運動負荷後、満腹後の記録
心電図検定でのポイント
・問題文にヒントが隠されている
「夜間 or 早朝に自宅で心肺停止状態で搬送。自己心拍再開後の心電図」
「夜間就寝中に異常行動を家族に指摘され受診。」
「健診での心電図異常のため受診。」(これはヒントになっていないか…)
今後深めたい関連事項
・fragmented QRSを持つBrugada症候群
参考にしたもの
Blog
・Cardio2012のECGブログ-2019改
心電図会の神、Dr.築島のブログです。心電図学習に有用な、様々な見やすい図と情報が満載です。
初級者〜中級者向け
https://heart2019ecg.hatenablog.com
・LIFE IN THE FASTLANE-ECG Library-
具体的な心電図が多く掲載されており、心電図多読に役立ちます。
初級者〜中級者向け
https://litfl.com/ecg-library/
・Dr. Smith’s ECG Blog
海外版の築島先生でしょうか。救急分野の心電図が多く掲載されており、その解説も秀逸です。
中級者〜上級者向け
http://hqmeded-ecg.blogspot.com
Youtube
・心電図マイスターチャンネル
中上級者が沼にハマっているのを、わかりやすい動画で救い出してくれた救世主です。
言葉で語る必要はありません。まずは見てみてください!
中級者〜上級者向け
https://www.youtube.com/channel/UC0YXMllTMEDaTqJMkogVHUA
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