今日の心電図

〜あと314日〜

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Medical experts are studying the ECG condition of the patient
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第7回心電図検定まであと314日!

 

一日、一心電図

 

3月になりました。

 

今月も早速頑張っていきましょう!!!

 

 

今日の心電図

70歳 女性

急性発症の胸痛を主訴に

救急外来を受診。

 

1回嘔吐しており、

左肩、下顎にも違和感を感じています。

 

主訴は「胸痛」ですので、

「かたち」を意識して

12誘導心電図を施行しました。

 

 

では、心電図診断は?

 

心電図診断は、

 「急性下壁心筋梗塞」

 「近位部閉塞」

 「右室梗塞合併」

です。

 

まずは少しだけ復習です。

 

急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome:ACS)を

疑ったら、合言葉はなんでしたでしょうか?

 

そうです。

 

 SETで戦え!

 

でした。

 

 

S(Symptom)ですが、

 

 

NERD(“おたく”って意味でしたね。)で考えます。

本症例では、

 N:Nausea/Vomiting 嘔気嘔吐

 R:Radiation 放散痛

の2症状を認めました。

 

では心電図に戻りましょう

「胸痛」が主訴ですので、「かたち」の異常であるST変化を探します。

 

そういう意識で判読すると、

 

 ・ST上昇@ⅢaVFⅡ

 

を見つけることができます。

 

ST上昇の範囲は、

 下壁(ⅢaVFⅡ)領域

に認めます。

 

急性下壁梗塞が疑われます!

 

より実践的に

下壁梗塞の心電図では、

 「責任血管は右冠動脈か回旋枝か?」

 「後壁梗塞が合併しているか?」

を心電図から読み取る方法についての

議論がなされることがあります。

 

実際、現場で

 「右冠動脈かな?回旋枝かな?」

 「後壁梗塞も合併。。。?」

と、心電図とにらめっこしている先生が

いらっしゃいます。

 

重要なことではありますが、

心電図から読み取るべき

もっと大切なことがあります。

 

それは

 患者さんとその心臓を救う

ために必要な心電図所見を読み取ることです。

 

具体的には、

 1.早期再灌流のため、カテ室搬入を素早く決定すること

  (ST上昇型心筋梗塞であると診断を下すこと)

 2.予後不良である右室梗塞を鑑別すること

 3.リズム異常(房室ブロック、洞不全)を鑑別すること

です。

1に関して

 

Time is muscleです。

 

1分でも早くカテ室に搬入し、

血行再建を行いましょう。

 

そのためには、

心筋梗塞におけるST上昇の特徴の一つである

 

 鏡面像を持つ

 

に関して、評価します。

 

下壁梗塞では、

 ・aVLⅠV5-6

 ・V2-4

で鏡面像であるST低下を認めます。

 

特に、

 aVL

早期に、

場合によっては、

 ST上昇に先行

して、鏡面像を確認することができます。

 

鏡面像の理解には、こちらをお役立てください。

 

2に関して

右室梗塞合併例は予後不良です。

 

この右室梗塞を早期に認知するためにも、

心電図で右側胸部誘導を必ず記録しましょう。

 

 V3R-V5Rで1mm以上のST上昇

 

を認めれば、

右室梗塞を合併しております。

 

その際は

 ・硝酸剤使用は避ける

 ・輸液負荷を早める

ことが重要です。

 

通常の心筋梗塞では、

 ・硝酸剤使用

 ・輸液絞りぎみ

とすると思いますので、

真逆の処置となります。

 

安易に通常の心筋梗塞の処置を行っていると、

病態が悪化してしまします。

 

また右室梗塞合併でバイタルが保てない場合は、

 

 PCPS(VA-ECMO)

 

が必要となるので、

その心づもりをスタッフ間で共有する必要があります。

 

3に関して

右冠動脈は

 洞結節枝

 房室結節枝

を還流するため、

 

右冠動脈が閉塞すると、

 洞不全

 房室ブロック

を合併し、高度徐脈になることがあります。

 

これら徐脈性不整脈を早期に認知し、

 硫酸アトロピン静注

 一時ペーシング準備

を検討します。

 

今回、徐脈性不整脈の心電図所見に関しては

割愛します。

 

近日、扱いますね!

 

本症例では…

aVLを始めとしてST低下の鏡面像を認めます。

 

ST上昇型下壁心筋梗塞と診断し、

スタッフに緊急カテーテル検査の宣言をしました。

 

 

また、右側胸部誘導を記録しました。

 

V3R-V5RまでST上昇を認めます。

 

心電図上、右室梗塞と診断し、

硝酸薬投与は行わず、生食負荷を開始しました。

 

この時点で収縮期血圧は90mmHgでした。

 

PCPSスタンバイも宣言しております。

 

幸いにもリズム異常は合併しておりませんでした。

 

いよいよカテ室搬入

冠動脈カテーテル検査で、

右冠動脈近位部(#1、右室枝より手前)が完全閉塞してました。

 

バルーン拡張後に再灌流障害で心室細動になりましたが、

電気的除細動1回のみで洞調律へ復帰しております。

 

その後、ステント留置し再開通(TIMIⅢ)に成功しております。

 

無事救命できました。

 

再灌流と補液のみでバイタルも安定し、

右室梗塞も大事には至りませんでした。

 

まとめ

下壁心筋梗塞の心電図は読み取るべきことが多く、

心電図学習にはもってこいです。

 

ただし、臨床の現場ではその作業を

優先順位をつけて迅速に

行わなくてはなりません。

 

修練です!!!

 

今後も下壁心筋梗塞の心電図は

度々扱うようにします!

 

一緒にマスターしましょうね!

 

Take Home Message

 ・鏡面像を見極め、早期再灌流へ

 ・V3R-V5RのST上昇で右室梗塞を鑑別する

 ・リズム異常もわすれるな!

 

では、またあした!

 

昨日も下壁梗塞でした

→ 今日の心電図〜あと315日〜

 

参考にしました

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