「かたち」と「りずむ」

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心電図の読み方

世の中、たくさんの心電図本が出ていて、様々な角度から心電図の読み方を解説してくれております。
体系的に読んでいくものから、ポイントを絞って読んでいくものまで、それぞれよいところがあって、勉強になります。

様々な心電図本を通して、私が体得した読み方はズバリ、「かちた」と「りずむ」に注目することです。
これを体得してからは、心電図の読み方がガラッと変わった気がします。

ちなみに、実臨床では、どこまで心電図に頼るのか、を見極めなくてはいけません。
とことん心電図から情報を読み取らないといけないのか、それとも心電図以外の検査所見(心エコー、CT、血液検査)に頼るのか?
そこらへんの見極めをするにも、「かたち」と「りずむ」の視点は重要かな、と思っています。

「かたち」と「りずむ」

心電図を読むときに、まずは自分がこのどちらに着目して読もうとしているか、意識することが大切です。
まずはどちらかに着目しているのか、宣言します。
「この心電図は、「かたち」に着目して読むぞ!」みたいな感じです。

どちらを宣言するべきか?は症例が教えてくれる

ではどちらを選ぶべきか?
これは症例によって、決まります。つまり、自分たちが決めることではなく、症例が教えてくれるのです。
例えば、「胸が痛い」という症例であれば、心電図から見極めたい疾患は、「心筋梗塞」であったり、「肺塞栓」であったりします。
ということは、それらを示唆するST-T変化を探すことになりますので、「かたち」に注目しなくてはなりません。

一方で、例えば、「動悸がする」という症例であれば、心電図で見極めたい疾患は、「心房細動」や「期外収縮」などであったりします。
ということは、波形ではなく、一拍一拍の心電図波形の関係性、つまりリズムの変化を探すことが必要になります。

はじめに宣言することが重要

上記の通り、患者さんが教えてくれますので、何も難しいことはないのですが、
これを怠って心電図を読もうとすると、何から読んでいいのか暗い闇の中に迷い込んでしまうことになります。
特に心電図初心者の頃に意識して置かないと、その後も心電図判読が苦しいものとなってしまい、苦手意識が芽生えてしまいます。

これからは、、、

ぜひとも、これからは「かちた」と「りずむ」に注目して判読してみてください。

実体験をしてみましょう!

「かたち」と「りずむ」を宣言した後の視点の違いを実体験してみましょう。

実例へ

まずは何も意識していない場合の視界です。
意識していない視界

かたち

次が、「かたち」を意識したときの視点です。各誘導を1拍だけ確認できれば十分です。
かたちの視界

りずむ

最後に、「りずむ」を意識するときは、複数の誘導を確認する必要はありません。
P波、QRS波ともに確認しやすいⅡ誘導(もしくはV1誘導)を時間軸を持って見ていくことが重要です。
りずむの視界

まとめ

「かたち」と「りずむ」を意識する。
心電図を読む前にどちらを意識するかを宣言する。

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