実臨床でいつも対応に悩むMRについてまとめてみた!
疫学
先進国では、ASと並ぶほどの有病率を誇ります。
やはり、
加齢に伴って増加
してくるようです。
なんと
米国では75歳以上の10人に1人が中等度以上のMR
との報告もあるようです。
避けては通れない疾患ですね。
解剖
僧帽弁を構成しているのは、
左室、乳頭筋、腱索、弁尖、弁輪、左房
の6つの構造物です。
これらを合わせて
僧帽弁装置=僧帽弁複合体
と呼びます。
どの部分に異常が起きても、MRは生じます。
したがって、MRをみたら、
この6つの構造物をそれぞれ評価する必要があります。
分類
大分類
まずはざっくりと分けます。
- 一次性(primary):器質性(organic)
- 二次性(secondary):機能性(functional)
この分類は原因となる構造物が異なります。
- 一次性の原因部位・・・乳頭筋、腱索、弁尖、弁輪
- 二次性の原因部位・・・左室、左房
二次性はchamber(心腔)に原因があるということですね。
一次性の疫学
先進国における一次性MRは、
リウマチ熱によるものは激減
しています。
現在は、
- 僧帽弁逸脱症
- 加齢や透析による弁尖、弁輪の石灰化
が主となっております。
逸脱症
僧帽弁逸脱症の素地となるのは、
弁尖や腱索へのムコ多糖の蓄積による
粘液腫様変性
です。
ムコ多糖が蓄積してしまう原因はわからないことが多く、
特発性
として扱うこととなります。
結局、逸脱症は、障害を受けている部位がどちらが主かで
- 腱索の延長、断裂が主 ⇒ fibroelastic deficiency(FED)
- 弁尖の粘液腫様変性が主 ⇒ Barlow’s disease
と分類します。
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