今日の心電図

〜あと315日〜

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Man pushing huge concrete ball up hill. Sisyphus metaphor. Sisyphean work, big challenge concept. 3D illustration
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第7回心電図検定まであと315日!

 

一日、一心電図

 

今日も継続。

 

休むことなく、続けていきましょう!

 

 

今日の心電図

70歳 女性。

急性発症の胸痛を主訴に

救急外来を受診。

 

冷汗嘔気も認めました。

 

主訴は「胸痛」ですので、

かたち」を意識して

12誘導心電図を施行しました。

 

 

では、心電図診断は?

心電図診断は、「急性下壁心筋梗塞 遠位部」です。

 

「胸痛」が主訴ですので、

「かたち」の異常であるST変化を探します。

 

 

そういう意識で判読すると、

 ・ST上昇@ⅢaVFⅡ

 ・ST低下@V2-4/aVLⅠV5

を見つけることができます。

 

ST上昇の範囲は、

 

 下壁(ⅢaVFⅡ)領域

 

に認めます。

 

ST上昇に対する鏡面像(mirror image/reciprocal change)は

 

 前壁中隔(V2-4)領域

 

そして

 側壁(aVLⅠV5-6)領域

 

に認めます。

 

※冠状断面で見ると↓

 

鏡面像

心筋梗塞の心電図を判読する上で、

鏡面像であるST低下は非常に重要です。

 

特に下壁梗塞においては、

梗塞領域を反映する下壁誘導ⅢaVFⅡよりも早期に、

対側(鏡面)に存在する側壁誘導aVLⅠV5-6(特にaVL)で

先行してST低下が現れます。

 

実臨床では、

完全にST上昇をきたす前段階で

患者さんが心電図検査を受ける状況もありますので、

こういったST上昇の前に起こる心電図所見

(early ischemic signと勝手に私は呼んでいます。)

を知っておくと、見逃しなく診断し、

かつ迅速に治療へ移行できます。

 

さて、

冠動脈カテーテル検査で、

右冠動脈遠位部(#2)が完全閉塞しており、

ステント留置し再開通(TIMI Ⅲ)に成功しております。

無事救命できました。

 

※左:治療前、右治療後

 

この心電図は実臨床ではよく出会う心電図で、

当然見逃してはいけませんし、

1秒でも早く診断をつけなくてはいけません。

 

繰り返しになりますが、

急性心筋梗塞は刻一刻と心筋が壊死していっている恐ろしい疾患です。

 

”Time is muscle(時は心筋なり)”を合言葉に、

迅速な診断で患者さんの命と心臓を救いましょう!

 

心筋梗塞に伴うST上昇の特徴の一つが、

対側誘導でのST低下を認めることです。

 

相対する誘導をしっかりと頭に入れて、

mirror imageを見逃さないようにしましょう!!!

 

 

Take Home Message

 ・ST上昇だけでなく、鏡面像であるST低下も確認する

 ・下壁梗塞では、ⅢaVFⅡでのST上昇より先に

  側壁領域(特にaVL)でのST低下が出現する(early ischemic sign)

 

では、またあした!

 

類似問題 → 心電図検定3級レベル〜practice 002〜

 

参考にしました

↓↓↓

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