第7回心電図検定まであと304日!
一日、一心電図
どんなに忙しくても、
心電図を1日1枚は必ず読む!!
今日の心電図
では、
今日の心電図です。
70歳代、男性
保存期腎症にて腎臓内科に通院中。
動悸発作のため救急外来受診。
発作時を捉えた心電図↓
心電図診断をお願いします。
アクションも思い浮かべてください。
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心電図診断は
「上室頻拍(房室回帰性頻拍AVRT疑い)」
です。
解説
★王道の判読★
基本調律:心拍数210bpm前後、P波???
P波:-
PR間隔:-
軸:正軸
移行帯:V4-5
低電位:なし
高電位:左室高電位なし、右室高電位なし
ST部:ST低下@aVFⅡ/V5-6
T波:増高・陰性化なし
QT間隔:延長・短縮なし
narrow QRS tachycardia
幅の狭いQRSがregularな頻拍となっております。
これを
narrow QRS tachycardia
と呼びます。
鑑別
下記の疾患が一般的な鑑別です。
今後、各鑑別疾患も勉強していきますから、
心配しないでください。
今は、これらの疾患が
narrow QRS tachycardia
を見たときに想起するべき疾患であることを
覚えておいてください。
AVRT
房室回帰性頻拍
またの名を
房室リエントリー性頻拍
と呼びます。
回帰
=リエントリー
=ぐるぐる
とおぼえましょう。
下記のようにぐるぐる電気が回ります。
Kent束
ぐるぐる回ってしまう原因は、
本来は存在するはずはなかった
心房と心室をつなぐ伝導路
Kent束
です。
逆行性P波
AVRTでは、
Kent束を介して
心室→心房
と、心房へもどってきた電気が
心房内を流れる
のです。
このときの心房内での電気の流れは、
正常伝導とは逆の
下→上
という方向になります。
したがって、下壁誘導のⅢaVFⅡから見ると、
陰性P波
となります。
通常とは逆方向の流れ方になるので、
逆行性P波
ともいいます。
AVRTの波形
この逆行性P波とQRS波の合成されたものが
AVRTの波形となるのです。
鑑別のポイント
他の上室頻拍との鑑別のポイントとして、
AVRTは
逆行性P波を
QRS波の直後に認める
ことが挙げられます。
したがって、私達は、
QRS直後で逆行性P波を探す
ことが必要な心電図判読です。
見つけられましたか?
本症例は
逆行性P波があることから、
AVRTと診断し、
ATP急速静注で
強制的にAVブロックを作り
ぐるぐる回路の電気の流れを停止させました。
Take Home Message
・上室頻拍の鑑別疾患を押さえる
・AVRTを疑ったら、逆行性P波をさがせ!
参考にしました
↓↓↓
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