今日の心電図

〜あと306日〜

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第7回心電図検定まであと306日!

 

一日、一心電図

 

1日24時間では足りない。。。

 

もっと心電図を勉強する時間がほしい。

 

これ、まじな思いです。。。

 

でも、どうしようもないことなので、

悩んでいる時間があるのであれば、

その時間も心電図の勉強に当てちゃう!

 

ということで、さっそくいきましょう!

 

今日の心電図

では、

今日の心電図です。

 

70歳代、女性。

 

労作時呼吸苦、下腿浮腫から心不全を疑われ、

循環器内科へ紹介受診。既往症は高血圧のみ。

 

受診時の心電図です。

 

 

心電図診断をお願いします。

アクションも思い浮かべてください。

心電図診断は

 「2:1 房室ブロック」

 「左房拡大」

です。

 

解説

★王道の判読★

基本調律:2:1房室ブロック、心拍数41bpm前後

P波:左房拡大あり

PR間隔:延長・短縮なし

軸:正軸

移行帯:V3-4

低電位:なし

高電位:左室高電位あり、右室高電位なし

ST部:ST変化なし

T波:上昇、陰転化なし

QT間隔:延長・短縮なし

 

かたちの異常

左房拡大に関しては、

先日、学習しましたね!

→ 今日の心電図〜あと307日〜

 

波形診断ですので、

 かたち

をしっかり押さえましょう。

P波の波形異常は、

 Ⅱ誘導とV1誘導に注目

でしたね!

 

本症例のⅡ誘導、V1誘導は

と左房拡大のかたちをしています。

 

そして、

波形診断は

それだけでは臨床診断とはなりません。

追加の検査が必要です。

 

この場合は、

 心エコー

が最も有用ではないでしょうか。

 

実際に左房が拡大しているのかを確かめられますし、

左房拡大を来す原因の鑑別を進めることができると思います。

 

この辺は心電図以外の勉強、

つまり疾患の勉強も必要なので、

詳細は割愛しますが、

本症例では、心エコーで

 明らかな器質的な異常はなし

でありながら、

 左房圧上昇所見を認める

ことがわかりました。

 

以上より、

 収縮能が保たれた心不全

と診断しております。

 

りずむの異常

洞調律ではないことがわかった時点で

 りずむ

の異常があることとなります。

 

 調律診断

が必要であるといいうことです。

 

これは

 P

 QRS

とを一旦分離して眺めることです。

 

そこで、

 P波の探し方

をご紹介します。

 

P波の探し方

P波は

 心房の電気信号

です。

 

心室の電気信号であるQRS-Tと比べると

 小さい

ため、QRS-Tに隠れてしまい見逃してしまうことがあります。

 

そこで、りずむの異常を確認するときには、

 P波を「くまなく探す」

手順を整理しておきましょう。

 

まずは、P波が見つけやすい誘導に絞るということ。

それは、

 Ⅱ誘導

もしくは

 V1誘導

です。

 

もしこれらの誘導でも見つけにくい時は、

おとなりの誘導

でP波を探してみてください。

 

誘導がきまったら、

次は、

 T-Pライン

で探します。

 

この部分は本来は真っ直ぐな線でありますので、

余分なP波があるとすぐに気づきます。

 

そして次は

 QRS-Tの中

に「隠れている」P波を探します。

 

その際に、重要なことは

 いくつかのQRS波、T波を比べて、

 正常なQRS波、T波を見つけておく

ことです。

 

ポイントは

 鋭いQRS波

 なめらかなT波

です。

 

これらを見つけておけば、

 なんだか鋭さがないQRS

とか

 でこぼこT波

などを見つけることができ、

その中にP波が隠れていることが判明します。

 

 

本症例では、

P波を探しました。

 

V1誘導を選びました。

 

Ⅱ誘導でもP波ははっきり確認できますので、

Ⅱ誘導でもOKですね。

 

T-Pライン上に余分なP波があります。

 

さらに、

 QRS-Tの中に隠れていないか

確認しましたが、

どのQRSもTも同じ形をしているので、

QRS-Tの中に隠れているP波はいないようです。

 

以上より、

 P 2個

につき

 QRS 1個

であることがわかります。

 

 

PP間隔も一定であり、

りずむ診断は、

 2:1房室ブロック

となります。

 

その後

本症例は2:1房室ブロックから高度徐脈から心不全に至っていました。

入院の上でモニター管理を開始していたところ、

経過中に

 完全房室ブロック

も間欠的に出現していることが判明しました。

 

房室ブロックの原因として、

 薬剤や電解質異常

 心筋症

などがないことを確認し、

後日、

 恒久的ペースメーカー植え込み術

を施行しております。

 

その後は心不全再発なく経過しております。

 

Take Home Message

 ・左房拡大所見

   かたちを理解し、覚える

 ・P波の見つけ方

   T-Pラインで探す

   QRS-Tに隠れたP波を探す

 

参考にしました

↓↓↓

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