ぱっと見の心電図診断は…
答えは、「右房負荷(右房拡大)」でした。
波形のポイント
・とんがりP@Ⅱ(≧2.5mm)
・とんがりP@V1 (≧1.5mm)
を満たす場合です。
臨床におけるポイント
実際は…
臨床では、こんな細かい波高の違い(0.5mVとか、1めもりのその半分です…)を測定するかというと、
少なくとも自分では「しない」ですね。
なんとなく、「とんがってんな」と思えば、
「右房負荷ありそうだ、エコーとかでさらに調べてみよう!」
ってなると思います。
ざっくりと…
ということで、
とんがりP@Ⅱ/V1(尖鋭P波)は右房負荷を疑え!
で、いいと思います。
波形の成り立ちも勉強してみてください。
P波の波形の成り立ちを理解していると、
上室性期外収縮や上室性頻拍症を勉強するときに、
必ずその知識が役に立ちます!
右房負荷を疑ったら…
右心房より先で異常があるということですね!
- 左心系 僧帽弁狭窄症
- 肺 肺気腫
- 肺動脈 肺動脈性肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症
- 肺動脈弁 肺動脈弁狭窄症
- 右心室 右室肥大
- 三尖弁 三尖弁狭窄症、Ebstein病
に関与する疾患が挙げられます。
心電図検定でのポイント
右室肥大所見との合併
右房負荷(拡大)単独で設問になることは、少ないかもしれません。
通常は、右室肥大とセットでしょうか。。。
公式問題集でも、右室肥大所見合併が問題になっています。
問題文にヒントがある!
公式問題集では、
1.COPD
2.肺動脈性肺高血圧
による右心系負荷所見の問題が出されています。
1.では
「長年の喫煙歴」
「呼吸器疾患で在宅酸素療法中」
といった問題文でした。
2.では、
「中年女性、労作時呼吸苦」
といった肺動脈性肺高血圧症に典型的な病歴が記載されておりました。
まとめ
比較すると、わかりやすいですよね!
では、また❗
参考
youtube
・マイスターチャンネル
blog
・LITFL

P wave
Overview of normal P wave features, as well as characteristic abnormalities including atrial enlargement and ectopic atrial rhythms
書籍
実力心電図
P100(右房負荷)
P104(両房負荷)
P106(右室肥大)
心電図検定公式問題集(3版)
問3:疾患は不明 「健診での心電図異常。」
問21:肺動脈性肺高血圧症 「中年女性、労作時息切れ。」
問23:COPD 「高齢男性。47年の喫煙歴。」
問24:COPD 「高齢女性。呼吸器疾患で在宅酸素療法中。」
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